導入事例

独立行政法人国立病院機構 東京医療センター 災害発生時のBCP対策をより万全なものにする戦略的な端末管理

職員や患者様の安全をより確かなものにするため、
30台のタブレット端末(iPad:iPadOS 17.1.1)を導入。
「SPPM3.0」で端末の一括管理が実現。

課 題

平常時

管理者の人数が少ないため、端末の初期構築や運用に時間を割けない。

災害発生時

職員の安否情報や施設・設備の被害状況を即時把握できず不安。

解 決

平常時

一括管理機能により一度の操作で複数台を初期構築、運用。

災害発生時

SPPM3.0によって事前配布した災害情報共有アプリで安否、被害状況を確認
安全箇所、支援必要箇所を即時把握。

事業者プロフィール

独立行政法人国立病院機構 東京医療センター

1942年に設立された「海軍軍医学校第二附属病院」を源流としており、現在では640床を有する大規模な高度・急性期病院として地域医療を支えている。患者に合わせた多面的ながん医療を提供しており、厚生労働大臣から「地域がん診療連携拠点病院」に指定されている。

※2023年11月20日時点

事務部 管理課 庶務班長 上後 剛範さま

事務部 管理課 庶務班長

上後 剛範さま

災害発生時に広大な敷地を有する病院の機能を止めないために

― MDMを導入する前の課題について教えてください。

上後さま 当院の敷地面積は11万3,781平方メートルとかなり広く、地震や火災などの災害発生時における情報共有に対して課題意識を持っていました。その1つが職員の安否確認です。患者様の安全を確保するには、まず「どれだけの職員が稼働できるか」を把握することです。医療機関は災害時であっても業務を止めることができない業種です。BCP※1対策の根幹となる職員の安否状況の共有は喫緊の課題でした。
 もう1つが病床の稼働状況のリアルタイム共有です。これまでは各病棟の病床の使用状況は病棟ごとの管理となっており、リアルタイムで全体に共有されることがなく、状況把握がワンテンポ遅れてしまうという課題もありました。
これらの課題を解決するためにはアプリケーションのインストールなども含めたデバイスの一元管理が必須との考えに至り、MDM(Mobile Device Management)※2を導入することに決めました。

※1 災害などの緊急事態における企業や団体などの事業継続計画(Business Continuity Planning)のこと。
※2 職員のPCやタブレット端末、スマートフォンなどを一元的に管理・制御するためのシステムのこと。

コンプライアンス遵守にも寄与

― 導入した機器と台数を教えてください。

上後さま タブレット端末(iPad)を30台導入しました。
iPadを導入した理由は大きく2つあります。1つは、これまでは個人所有のスマートフォンにアプリをインストールして安否確認を行っていたことです。個人所有のデバイスということもあり、アプリケーションのインストールに抵抗感を示す職員も多かったのです。2つ目は、病棟内で個人のスマートフォンを操作していることによる患者様からのご指摘があったことです。必要な操作をしているにも関わらず、個人所有のスマートフォンだと「遊んでいる」と見られるようです。個人情報を多く扱う病院内で個人所有のデバイスを使用することはコンプライアンス遵守の観点からも改善しなければならないことでした。
 病院内に設置されている災害対策室でこれらの問題について話し合った上で、タブレット端末の購入に災害医療事業(令和4年度)の助成金が活用できることも後押しとなり、iPadを導入することにしました。

職員の安否を集約して把握

― iPadはどのように運用していますか?

上後さま 各部門に配布が完了していて、災害発生時には各部門のiPadから部門ごとの安否情報を集約してアップロードしてもらいます。その情報は災害発生時に設置される災害対策本部で確認します。また、施設の破損状況などは写真に撮って掲示板にアップするようになっているので、どこで何が起こっているかを一元的に災害対策本部で把握でき、迅速な対応が可能になります。iPad配布直後に災害訓練が行われたのですが、その時は問題なく情報共有ができたので、定期的な訓練を重ねて、有事に備えていきたいと考えています。院外にいる職員には各職員のメールアドレスに一斉メールが送信されるので、安否状況や出勤の可否、出勤までの時間などを報告できるようにもしています。こちらの情報も災害対策本部で共有できることになっています。
 Wi-Fi版の端末であるため、普段は院内のWi-Fiネットワークに接続して使用しています。iPadに集約したことにより、院内のWi-Fiを職員が私的に利用する心配もなくなり、セキュリティ面の懸念も解消されました。また、万が一停電になった場合に備えてモバイルWi-Fiルーターも配備していますので、災害発生時の情報共有に関しては現時点ででき得ることをほぼ全てやっていると自負しています。

「一括管理」が選定の大きな理由

― SPPM3.0を選んだ理由と良かった点を教えてください。

上後さま アプリケーションのインストールを含めて端末を一括管理できるところです。AXSEEDさんに問い合わせたきっかけは、MDMソリューションを展開している代表的なベンダーさんだと当院の情報システム部から聞いたからです。問い合わせてみるとこちらの要望を丁寧に聞き取ってくれて、最適なプランをご提案いただきました。他のベンダーさんとも比較したのですが、一番安価だったことも決断を後押ししてくれました。
 SPPM3.0の良かった点は、選んだ理由でもお話ししたように「一括で端末を管理できる」ことに尽きます。アプリケーションのインストールもパソコンを介して一括でできるので大変助かっています。仮に手作業でやるとすると30台でも2日ほどかかると思います。当院のように1人で管理を行っている場合には大きなメリットだと思います。今後はiPadを増やす構想もあるので、そのメリットはさらに大きくなると期待しています。

アプリを一括配信・インストール

充実したサポート体制

― 導入後のサポートはいかがでしょうか?

上後さま こちらからの質問に対して、最適な回答をいただけるので大いに助かっています。管理側の初期設定なども親身に対応していただきました。サポート窓口に質問を送ると当日中に回答をもらえることが多く、内容も的確なので安心して運用できますね。オンラインマニュアルも整備されているので、サポートに連絡するほどではない場合には便利に使っています。
 また、当院の運用上あまり考えられないのですが、万が一紛失してしまった場合に遠隔でロックしてもらえるサポートが24時間365日対応なので、そこも手厚いと感じています。「迅速で的確。問題発生時には即時対応」というのは医療機関にとっては本当にありがたいことです。

少ない台数からでも大きなメリットが

― SPPM3.0はどのような方にお勧めできますか?

上後さま 複数端末を少人数で管理する必要がある方ですね。端末の初期設定からアプリケーションのインストールまで一括でできるのが最大の魅力です。お話ししたように、サポートが手厚いのに他社サービスに比べて安価であることも積極的に選択する理由になると思います。

― 今後AXSEEDにどのようなことを期待していますか?

上後さま 引き続き手厚いサポートをお願いしたいと思います。また、当院は職員の異動が比較的多い傾向にあるため、次の担当者へ引き継ぐことも考えておかなければなりません。私の場合はAXSEEDの担当の方が伴走してくださったので使い方を理解できていますが、次の担当者はおそらく苦労するでしょう。そこで、主要な操作だけを記載した簡易マニュアルのようなものがあればSPPM3.0を長期的に安心して活用できると思います。

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