Android Enterprise Recommended とは?

更新日時:2025.12.15

SPPM 3.0及びSPPM 2.0は、Google 社の求める厳しい機能水準と、サポート水準を満たした信頼性の高いMDM製品として、
「 Android Enterprise Recommended 」に認定されています。
本記事では、「 Android Enterprise 」および「 Android Enterprise Recommended 」についてご紹介します。

Android Enterprise とは?

Android Enterprise は Google 社が提供する、統合モバイル管理プラットフォームです。
このプログラムを利用することで、企業は組織で利用するAndroid端末に対し、統一的なセキュリティポリシーを適用し、効率的な管理・運用を実現できます。

MDM(モバイルデバイス管理)ツールとの連携が必須

Android Enterprise は単独で利用することはできず、MDM(Mobile Device Management)またはEMM(Enterprise Mobility Management)といったモバイルデバイス管理ツールと連携して初めて機能します。
MDM/EMMツールが Android Enterprise と連携することで、リモートでのデバイス設定、アプリケーションの配布・管理、セキュリティ制限の適用などが可能になります。

統一的な管理の実現

かつて、Android端末の管理機能はメーカーや機種、使用するMDMによって異なり、統一的な管理が困難でした。
しかし Android Enterprise の登場によって機種による機能の差分はほとんど解消され、企業はどの端末に対しても統一したセキュリティポリシーで管理運用ができるようになりました。

Android Enterprise 導入のメリットと必要性

Android Enterprise を導入することは、セキュリティと運用効率の両面で大きなメリットをもたらします。

セキュリティの強化と情報漏洩リスクの低減

デバイスが紛失・盗難にあった場合でも、管理者がリモートで端末をロックしたり、保存されているデータを完全に消去(ワイプ)したりすることが可能です。
また、デバイスのロック解除に必要なパスワードポリシーの強制適用や、不必要なアプリケーションのインストール制限なども行うことができ、情報漏洩や不正利用のリスクを大幅に低減できます。

多様な働き方(BYOD/COPE)への柔軟な対応

従業員の私物端末を業務に利用するBYOD(Bring Your Own Device)や、会社所有の端末を個人利用も許可するCOPE(Corporate-Owned, Personally Enabled)といった多様な運用スタイルをサポートします。
特にBYODでは、仕事用と個人用のデータ領域を端末内で分離できるため、従業員のプライバシーを守りながら、業務データのみに企業のセキュリティポリシーを適用し、安全性を確保できます。

管理負荷の軽減と生産性の向上

管理者側は、デバイスの設定やアプリの配布、セキュリティチェックなどを一元的にリモートで行えるため、キッティングや日々の管理にかかる負荷が大幅に軽減されます。
従業員側も、業務に必要なアプリだけが配布され、セキュリティが確保された環境で業務に集中できるようになるため、生産性の向上につながります。

Android Enterprise の主な管理モード

企業の利用目的や端末の所有形態(会社所有か個人所有か)に対応できるよう、主に4つの管理モードを提供しています

モード名称 適した所有形態 利用用途 管理範囲 初期化の必要性
完全デバイス管理(Full device management) 会社所有 業務専用利用 デバイス全体 必要
仕事用プロファイル(Work Profile) 個人所有 (BYOD) 業務利用 仕事用領域のみ 不要
会社所有デバイスの仕事用プロファイル(Work Profile on Company Owned Device) 会社所有 (COPE) 業務・個人利用の併用 デバイス全体を監視し、仕事用領域を管理 必要
専用デバイス管理(Dedicated device management) 会社所有 特定業務専用(キオスク) 単一または特定のアプリのみ 必要

1. 完全デバイス管理(Full device management)

デバイスを業務専用端末として従業員に貸与する場合に最も適しており、日本国内で最も利用が多いモードです。
企業がデバイス全体を完全に管理下に置くため、きめ細やかな設定・操作が可能になります。

2. 仕事用プロファイル(Work Profile)

従業員の個人所有デバイスを業務に利用する(BYOD)際に使用するモードです。端末内に「仕事用」と「個人用」の領域を分離し、企業は仕事用領域のみを管理します。
個人のデータには一切干渉しないため、プライバシーを保護しながら安全にBYOD運用ができます。

3. 会社所有デバイスの仕事用プロファイル(Fully Managed Device with a Work Profile)

会社所有の端末を、業務だけでなく個人利用も許可する場合に選択されます(COPE)。
デバイス全体を企業が管理しつつ、私的領域と仕事用領域を分けて運用するため、プライバシーとセキュリティの両立を図ります。

4. 専用デバイス管理(Dedicated device management)

小売店のPOSレジ端末、物流の配送追跡端末、飲食店の注文用タブレットなど、特定業務での使用を目的とした専用デバイスに適用されます。
利用可能なアプリを単一または限定されたアプリ群のみに制限する「キオスクモード」などが利用でき、利用範囲を厳しく制限できます。

Android Enterprise Recommended とは?

Google 社は、 Android Enterprise の要件を満たし、安定した提供が可能なデバイスやサービスを「 Android Enterprise Recommended 」プログラムで認定しています。
デバイスおよびそのメーカーには、機能の最小要件に加えてセキュリティ/メジャーアップデート体制などが求められています。
MDM製品およびその開発企業に対しても高度な機能のほか、開発企業の人財確保(認定資格保有者)やサポート体制も求められています。

認定デバイスや認定サービスは下記の認定ロゴを付けることができます。

下記サイトにて認定デバイスや認定サービスの検索を行うことができます。

Android Business Device Solutions Directory – Android Enterprise – Devices

Android Business Device Solutions Directory – Android Enterprise – EMMs

Android Enterprise Recommended 認定を受けていないデバイス・MDM でも、 Android Enterprise に対応している場合があります。

まとめ

Android Enterprise は、企業がAndroid端末を安全かつ効率的に管理・運用するために不可欠なプラットフォームです。
Google 社は、 Android Enterprise Recommended の認定を受けた端末やMDM/EMMを利用することを推奨しています。

Android端末やMDM/EMMを業務に導入する際は、 Android Enterprise Recommended 認定の有無を確認して選定し、
安心・安全な運用を行いましょう。

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