導入事例
全社員が一段上の役割にチャレンジして組織力をアップさせる施策
「役割イノベーション」を推進するために、
全社で 約6000台のタブレット端末を利用する三井住友海上火災保険。
「SPPM」とリモートアクセスツールにより、
タブレット端末の利用において、高いセキュリティポリシーをクリアする安全性を実現した。
課 題
営業社員の業務効率化に向けて導入したタブレット端末の利用に際して、
高いセキュリティポリシーをクリアするMDMの導入が必要だった。
解 決
SPPMを導入し、タブレット端末の紛失や盗難による情報漏洩対策を実現。
さらに、アプリのリモート配布やフィルタリングなど、
業務効率化・生産性向上につながる機能に期待。
事業者プロフィール
MS&ADインシュアランスグループの中核事業会社である三井住友海上火災保険。「グローバルな保険・金融サービス事業を通じて安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支える」という経営理念を掲げている。国民の生活経済を支える損害保険事業の担い手として、高品質な商品・サービスを提供する。
営業推進部 営業IT推進室
代理店システム推進チーム 課長
内山 重光さま
社員の意識と役割のレベルアップをサポートするIT環境の整備
― タブレット端末を導入した背景について教えてください。
内山さま 2009年から新たな販売プロセスの構築を目指した施策「販売イノベーション」を行ってきました。その中の主要な取り組みが販売プロセスのIT化です。代理店による保険販売プロセスをIT化することによって、代理店の自立化が進み、それまで必要だった社内の事務作業は徐々に減っていきました。販売イノベーションによる業務削減を受け、 2011年からは社員の業務領域と意識を変革し、全社員が一段上の役割にチャレンジして組織力をアップさせる施策「役割イノベーション」をスタートしました。役割イノベーションにより、これまで営業事務を担っていた女性社員が外出して営業活動を行うなど、社員の活躍できるフィールドが広がってきています。その役割イノベーションをさらに加速するための方策の一つが IT環境の整備です。具体的には、2012年5月からタブレット端末の導入をスタートしました。
タブレット端末の活用で営業社員の生産性を向上
― タブレット端末はどのように使われているのでしょうか。
内山さま タブレット端末を使って行えるようになったことは大きく二つあります。一つは外出先から社内のイントラネットに安全にアクセスできるようになったこと。代理店訪問先や移動中など、いつでもどこでも社内の全てのシステムを利用できる仕組みを構築しました。リモートアクセスツールを使っているので、タブレット端末にはデータが残らない仕組みです。営業社員は日中、代理店を訪問して打ち合わせや各種提案などを行っており、社内にいる時間が限られます。タブレット端末導入以前は代理店を訪問し終わった後、夕方に帰社して自席のパソコンでメールをチェックしたり、提案書を作ったりしていました。それがタブレット端末を導入したことで、外出中の空いた時間を使ってメールをチェックしたり、代理店からの質問や依頼に対してその場でクイックレスポンスしたりできるようになりました。社員の生産性向上と代理店への対応カアップにつながったのです。
もう一つの機能は、代理店との Web会議システムです。代理店はWebカメラを取り付けたパソコンを、当社の社員はタブレット端末を利用してWeb会議を行える仕組みを構築しました。これらの機能によって、営業社員の生産性が向上し、残業や休日出勤が減るという効果が現れました。
高いセキュリティポリシーをクリアするためのSPPM
― AXSEED(アクシード)のMDMサービス「SPPM」をご利用いただいています。
ご利用に至った経緯について教えてください。
内山さま 先ほどもお話しした通り、リモートアクセスツールを使っているのでタブレット端末にはデータが残らないようになっています。しかし、タブレット端末を紛失したり、盗難に遭ったりした場合のことを考えると、リモートロック・ワイプ機能を持つMDMが欠かせないと考えました。
また、当社は金融系企業であり、お客さまの情報を扱う業務が多いため、セキュリティポリシーが高く設定されています。それをクリアするためにも MDM の導入が必要でした。情報漏洩が起きないようにセキュリティには細心の注意を払っています。
数あるMDMの中からSPPMに決めたのは、当社が必要とする機能が詰まっていたからです。例えば、SPPMのサーバーとタブレット端末との定期通信が一定の時間以上途絶えた場合、自動的にロックがかかることなどはとても重要な機能だと考えました。これまでは SPPMの「基本機能」だけを利用していましたが、今後は「オプション機能」も利用していきます。
タブレット端末を提案ツールとして利用するために
― 今後SPPMを使って実現したいことはありますか。
内山さま アプリをリモートで配布することが必須になるでしょう。現在、営業社員を中心に全社で約6000台のタブレット端末を導入しています。
現在利用しているリモートアクセスとWeb会議のアプリは、あらかじめタブレット端末に初期設定し、社員に配布しています。しかし、今後、新しい業務アプリの導入やアプリのバージョンアップが必要になった場合、われわれ営業IT推進室の社員が6,000台のタブレット端末に対して手作業で行うのはナンセンスです。かといって利用者に作業を任せると、作業を実行しない人が出てくる可能性があります。ですから、SPPMオプション機能「アプリ・リモート配布~インストール」は確実に必要になると考えています。
また、今後追加されるという「アプリフィルタリング」も利用したい機能の一つです。アプリ評価サイトと連携して、安心なアプリのみインストールを許可するだけでなく、ビジネスや交通などといったカテゴリごとにお勧めアプリを提案してもらえるということですので、利用する機会は多くありそうです。
これまでは社員の業務効率化と生産性向上に利用してきたタブレット端末ですが、今後はタブレット端末の持つプレゼンカも生かし、代理店やお客さまへの提案ツールとしても活用することで、売り上げアップに貢献できるようにしていきたいです。その際、SPPMをフルに活用してタブレット端末の安全性と利便性を高めていこうと考えています。